由利先生作品表
由利先生シリーズ作品表(中島河太郎版)
作品名初出年月日初出出版誌探偵役粗 筋 or 解 説
1.石膏美人昭和11年5月増刊号
6月号
講談倶楽部由利先生
三津木俊助
中島氏の評論の中で、横溝正史自身がこの作品を由利物の第一作としている。初出は遅いが記述は一番初登場に近い。
三津木の衝突事故に始まり、衝突した相手のトラックの積み荷の人形が三津木の恋人にそっくりだった。
2.白蝋変化昭和11年4月〜12月号講談雑誌由利先生
三津木俊助
老舗の小間物商の家。当主は相思相愛の声楽家と中を断たれて結婚したが、その妻殺害の犯人として死刑が決まる。
3.獣人昭和10年9月号講談雑誌由利麟太郎ゴリラ同然の男と遭遇した青年の話。この青年が由利麟太郎で、学生上がりで後年私立探偵として身を立てると説明されている。
4.憑かれた女昭和8年10月〜12月大衆倶楽部由利先生
三津木俊助
由利・三津木ものはこれが一番早く登場しているが、「もし、読者がいままでに、由利先生の冒険談をお読みになったことがあれば−」と作品中にも付け加えられているため初登場の弁としなかったのだろうという中島氏の推測である。
5.蜘蛛と百合昭和11年7月〜8月モダン日本由利先生
三津木俊助
新日報社ならぬS新聞社の探訪記者の三津木俊助になっている。
6.真珠郎昭和11年10月
〜昭和12年2月
講談倶楽部由利先生
三津木俊助
志賀司法主任
大学講師の椎名耕助の筆録した形式をとり、信州の古風な娼家風の建物を舞台に、耽美趣味と謎解きを結合させている作品。
7.猫と蝋人形昭和11年8月キング三津木俊助
等々力警部
三津木の身辺に起こった事件。三津木の妹の住む洋館に流れ着いた蝋人形の心臓に短刀が突き刺してあった。
8.首吊船昭和11年10月増刊〜11月富士由利先生
三津木俊助
等々力警部
事件の依頼を受けた三津木俊助。隅田川に浮かぶランチに、髑髏そっくりの怪物が絞首台をしつらえて、満州での旧悪を背負った官僚を脅かす。
9.夜光虫昭和11年11月
〜昭和12年6月
日の出由利先生
三津木俊助
夜空を飾る両国の川開きの日に、盗り縄をつけたまま納涼船に飛び込んできた美少年。この美少年は肩に人面瘡があった。
10.薔薇と鬱金香昭和11年11月週刊朝日由利先生
三津木俊助
5年前のマダム・チューリップの夫である畔柳博士殺害の犯人として服役中の薔薇郎は、病死したはずだったのに蘇ったという話があった。
11.幻の女昭和11年1月〜4月富士由利先生
三津木俊助
籾山子爵の撒いた種が20年後に惨劇を引き起こす家庭悲劇。
12.焙烙の刑昭和12年1月サンデー毎日由利先生
三津木俊助
美男俳優のとその従妹の夫が殺人容疑者に仕立てられる事件を三津木俊助が活躍し救う。
13.鸚鵡を飼う女昭和12年4月増刊キング由利先生
三津木俊助
殺害死体を発見した三津木と歌舞伎俳優から依頼された由利先生。実は同じ事件だった。
14.花髑髏昭和12年6月増刊〜7月富士由利先生
三津木俊助
等々力警部
由利先生に舞い込んだ奇妙な手紙から始まり、血の滴る長持の中には負傷した女性が横たわっていた。由利先生が舌を巻いたほどの凶悪犯との対決。
15.迷路の三人昭和12年8月増刊キング由利先生幽霊屋敷探検に出かけて迷路で殺害された女性の近くにいて捕まったのは脱獄囚。屋敷の近くにいた由利先生が手を貸すが、取り調べ中にその脱獄囚も殺される。
16.猿と死美人昭和13年2月キング由利先生
三津木俊助
隅田川に浮かんでいた檻に、猿と昏睡状態の美女が入っているのが発端。
17.木乃伊の花嫁昭和13年2月増刊富士由利先生医学部教授の娘婿を2人の愛弟子が争う。信州の湖畔が舞台で、ちょうど宿に泊まっていた由利先生が解決する。
18.白蝋少年昭和13年4月キング三津木俊助
等々力警部
一週間前に火葬を済ませたはずの美少年が生きていて、醜女と心中しているのが発見される。
19.悪魔の家昭和13年5月富士三津木俊助
等々力警部
西荻窪駅の近くで、三津木と道連れになった女性が見聞したのは悪魔の顔が浮かび上がる家だった。
20.悪魔の設計図昭和13年6月増刊〜7月富士由利先生
三津木俊助
疲労を癒すために信州に出かけた三津木俊助。退屈で出向いた田舎芝居で人殺しの筋書きが本当に殺人が起きてしまう。
21.双仮面昭和13年7月〜12月キング等々力警部
由利先生
ルパンもどきの怪盗風騎士が大富豪のダイヤを盗み出すとの予告状を出した。ダイヤは奪われ大富豪が殺される。大富豪の孫が犯人扱いされ、真犯人を追い始める。主人公はこの孫で由利先生は脇役的である。
22.仮面劇場昭和13年10月〜11月サンデー毎日由利先生
三津木俊助
江馬司法主任
瀬戸内海の観光船がガラス柩を載せた小船を発見する。柩の中には美少年が横たわっていた。金満未亡人がその少年を引き取ったのがキッカケで連続殺人事件が起こる。
23.銀色の舞踏靴昭和14年3月日の出由利先生
三津木俊助
美人コンテストに当選した3人が、銀色の舞踏靴を履かされて次々に惨殺される。
24.黒衣の人昭和14年4月婦人倶楽部由利先生
三津木俊助
俳優殺害の容疑者として捕らえられた青年が未決のまま急死。兄の冤罪をそそごうと青年の妹がヒロインとなる。
25.盲目の犬昭和14年4月キング由利先生
三津木俊助
由利先生に前代未聞の殺人予告をする狼男。飼い犬にかみ殺されて死ぬという残酷な自殺方法の影に巧まれた策略。
26.血蝙蝠昭和14年10月現代由利先生
三津木俊助
幽霊屋敷に肝試しに行った女性が女優の殺害死体を発見する。
27.嵐の道化師昭和14年10月富士由利先生
三津木俊助
等々力警部
相思相愛の金持ちの息子とサーカス団の娘が親が敵同士ということで心中を図る。
28.菊花大会事件昭和19年7月以前発表誌不明由利先生?
宇津木俊助
兵藤麟太郎
新日報社記者が宇津木俊助になっている。清水谷公園の近くで自動車の爆発事故にあった宇津木は、事故のあった死体から国技館の菊花大会の切符を取り出した。
29.三行広告事件昭和19年7月以前発表誌不明由利先生
三津木俊助
由利先生の依頼者が毒を飲まされて死に、その息子の嫁になるはずの女性も殺される。
30.蝶々殺人事件昭和21年5月
〜昭和22年4月
ロック由利先生
三津木俊助
等々力警部
麹町から国立に移った由利先生のその後が書かれている。『本陣殺人事件』と並んで、戦後の探偵小説全盛の先導となった小説。
31.神の矢昭和24年2月〜5月ロック由利先生
三津木俊助
昭和20年9月中央線沿いのT高原で起こった事件。
32.カルメンの死昭和25年1月〜3月講談倶楽部由利先生
等々力警部
日本で一流のテナーとソプラノ歌手の結婚式の当日に届いた贈り物の中にはウェディング・ドレスをまとった死体だった。「迷路の花嫁」の改題か?