夜歩く
作品年代:大筋・昭和22年10月3日、昭和23年年3月6日〜5月8日(昭和25年の説あり)
(根拠は屋代寅太が寅年生まれであり、現在35歳だということ。当時の横溝正史作品の年齢は「かぞえ」であるから、屋代寅太の35歳の年は「子年」ということになる。第二次大戦前後の「子年」は昭和11年と昭和23年。この物語の「みどり御殿」の章で屋代寅太が1年間軍隊生活をしてきたことと、一番最初のところでキャバレー『花』が戦後にできたことを語っているので当然戦後となり、昭和23年。但し、「大惨劇」の章で、仙石鉄之進が今年で65歳になるという会話があり生まれは明治20年とされているので、かぞえでいけば、昭和25年になってしまう)
作品場所:東京・小金井、岡山県・鬼首村
作品粗筋:屋代寅太は売れない三流探偵小説家である。ある日、パトロンの仙石直記からキャバレー『花』で起こった発砲事件の犯人が同郷の旧家古神家の令嬢八千代の仕業だと知らされる。屋代寅太は直記に連れられるままに東京の古神家に訪れるのだが、その日のうちに惨劇が起こる。
依頼主:仙石鉄之進
成功報酬:結論から言ってしまえば、依頼主からは受け取れない状態にある。しかし、お柳さまから受け取ったという考え方も出来、一応謝礼を受けたと推測できる。
登場人物
- 仙石直記……古神家の遠縁で、偏執狂的性格で高飛車。密かに八千代を愛している。
- 屋代寅太……この物語の主人公でありながら語り手でもある、三流探偵小説家。35歳、寅年。
- 古神八千代……古神家令嬢。夜歩く夢遊病をもっている。当時(かぞえで)24歳。古屋小市を撃った謎の女でもある。
- 蜂屋小市……身体障害者だが美男子で金持ちの新進画家。自称、新思潮派。キャバレー『花』で謎の女から太股を狙撃される。八千代の婚約者で八千代に招待されて古神家(小金井)にやってくる。
- 古神守衛……古神家当主。八千代の9歳上の兄でやはり身体障害者。八千代と結婚すると思いこんでいる。昭和24年の夏にピストルで誤って太股を撃ってしまう。
- 古神織部……古神家の前当主。華族であるが典型的な生活無能力者。他界している。
- お柳さま……八千代の母で織部の正妻がなくなってから正妻となった。現在古神家を統率している。
- 仙石鉄之進……直記の父で、古神を織部亡き後を取り仕切っている。八千代の父だという説もある。60歳前後で酒乱。しかも、夜歩く病気を持っている。
- 源造……鉄之進の使い。
- 四万太…男振りは悪くないが冴えない男。織部の異母弟で古神家の飼い殺し状態。40歳〜45歳ぐらい。
- お静……3月4日頃に座敷牢からどこかに連れていったに直記が囲っている女。
- お藤……洋館係の女中
- お喜多……作州に住んでいる守衛の乳母。
- 内藤医師……守衛の主治医。
- 銀さん……「K」から鬼首村まで走らせた牛車の牛引き。耳が遠い。
- 海勝院の妙照……古神家(鬼首村)に直記を訪れた尼。隣村の足長村からきたという。
- 取り巻きの学生3人……キャバレー『花』で事件を起こした謎の女性に、『花』に来る前の飲屋『チューリップ』から取り巻いてきた学生。
- 金田一耕助……名探偵
- 磯川警部……岡山県警の古狸と言われる名警部。
- 沢田警視……東京側の事件担当者。
- 警部補……岡山の事件の竜王の滝で取り調べている担当者。
銀座
小金井
雑司が谷
鬼首村
足長村