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次に旭川の支流の途中に「鬼の穴」や「神庭の滝」などこの物語に合いそうな地名があるが、これは「勝山」から1里程度で県境にならないため駄目である。
残りは「旭川」自身の上流と「新庄川」ということになる。両川とも大体12キロで四方山に囲まれた村に着く が、「旭川」の上流には更に奥に村があるのと県境ではないという点で落ちる。
このため、この物語上の「鬼首村」はこの位置になると推定する。
もともと、かもよしひさ氏の評論の中でもこの「鬼首村」については「『夜歩く』の舞台は『鬼首村』ということになっていて、この村の名前は『悪魔の手毬唄』にも出てくるが、『悪魔の手毬唄』の方は『岡山と兵庫の県境の鬼首村』であり、こちらの『鬼首村』と同一の場所とするには無理がある」と書いており、また、「むしろ『桃太郎伝説』の盛んな岡山県には『鬼の首伝説』もまた多く、<中略>『鬼首村』は同名異村だとした方がよくはないか」と書いている。
……実際、この説にすべて賛成ではないが、やはり、『夜歩く』と『悪魔の手毬唄』の「鬼首村」を同一に考えるのは無理があるとも思う。第一、古神家は旧幕時代からこの「鬼首村」を取り仕切っていて禄高一万五百石。一方、『悪魔の手毬唄』の「鬼首村」は伊東信濃守が取り仕切る一万三百四十三石。一ヶ村の陣屋が旧幕時代から二家もあるということも考えにくいため、この説を入れて場所を推定した。
(心情的には同一であった方が面白いのだが……)