悪魔が来たりて笛を吹く
作品年代:昭和22年9月28日〜昭和22年10月11日
作品場所:麻布六本木・明石
作品粗筋:天銀堂事件の容疑者とされた椿元子爵は、その後失踪し死体で発見される。しかし、椿家では半年も経った後に椿元子爵が現れたと言う。椿元子爵の娘、美禰子の以来を受けた金田一耕助は事件解決に乗り出すが……。「黄金のフルート」「風神雷神」などの小道具と「密室の殺人」などトリックをふんだんに扱った作品。
依頼主:椿美禰子
成功報酬:椿家自体は没落しているが、美禰子には遺産があるためそれなりの報酬は受け取ったはず(金田一耕助が拒否しても美禰子の性格からして受け取らせないわけにはいかないと思われる)
※なお、「椿秋子」の「秋」については「火扁の禾」であるが、常用漢字にはないため、仕方なく「秋」で表記してあることをご了承ください。
登場人物
- 井口一郎……衛生局の腕章をつけた40歳前後の好男子で、天銀堂の支配人・店員13人を死傷させた容疑者
- 椿 英輔……元子爵で、宮内省を免官させられた、椿家の当主で謎の失踪と死を遂げる。なぜ死んだかの謎と本当に死んでいるのかが疑問となる。「悪魔が来たりて笛を吹く」の作曲演奏者。娘・美禰子にひそかに遺書を残していた。
- 椿 秋子……英輔の妻で新宮家出身。40歳には見えないほどの華冑界きっての美人。夫英輔の死を信じておらず、復讐されると思っている。
- 椿 美禰子……英輔と秋子の間にできた娘。
- 新宮利彦……自分で働いて儲けたことはないという、元子爵で秋子の兄。貴族という特権階級が未だ続いていると信じ、秋子に無心に来ていたが、戦争で椿家の別棟に移り住んだ。43歳。
- 新宮華子……利彦の妻。
- 新宮一彦……英輔のフルートの弟子であり、美禰子のいとこ。21歳。
- 玉虫公丸……元伯爵で戦前は研究会を牛耳り、貴族院のボスだった。70歳ちかい。第一の犠牲者で密室で殺される。
- 菊江……玉虫公丸の愛人。小間使いということになっている。左手の小指が欠けている。23〜24歳。
- 目賀重亮……医学博士。秋子の新宮家にいる頃からの主治医で、また愛人でもある。砂占いの研究もしている。
- 信乃……新宮家から秋子についてきた婆やで椿家の切り盛りをしている。秋子を未だお嬢さまのように扱っている。62〜63歳。
- 三島東太郎……英輔の独身時代の友人の息子と称して住みこんでいる元復員兵。闇市などの買出し要員。23〜24歳。右手の薬指と中指がかけている。
- お種……23〜24歳の女中。
- おかみ……須磨寺近くの旅館「三春園」のおかみ。
- 番頭……「三春園」の番頭。
- おすみ……「三春園」の女中。
- 植辰(河村辰五郎)……玉虫伯爵の別荘に出入りしていた、もと植木職人。娘を孕まされたことで玉虫伯爵から大金を貰っている。また、何がしかで玉虫伯爵を強請っていた。
- 河村はる……植辰の正妻。
- お勝……植辰の初めの妾。
- おこま(堀井駒子・妙海尼)……植辰の娘で玉虫の別荘に手伝いに来ていて妊娠してしまう。その後住吉にある溝口家の女中をした後、淡路島で尼をしていた。
- 源やん……妊娠したおこまを結婚した植辰の職人。
- お小夜(堀井小夜)……おこまが生んだ娘。誰かの子を妊娠し青酸カリを呷って自殺を遂げる。
- おたま……植木屋をやめた植辰がいっしょになった最後の妾。
- 河村治雄……植辰が妾に生ませた息子。その後、植辰が妾をどんどん替えるため家を出て植辰のところには寄りついていない。
- 芳村作造……椿元子爵と思われる人物を淡路島の長浜まで乗せていった漁師。椿元子爵は淡路島の小井まで行ったと言う。
- 煙草屋のおかみ……妙海尼を尋ねてきた謎の人物に会った女。
- 慈道……隣村の法乗寺の住職。妙海尼を仏の道に進むことを勧めた人物。
- 及川……成城に住む秋子の母方の祖父で、麻布六本木の邸宅を椿家(秋子)に譲った人物。信乃を頼りにしていて10月4日に電報を送ったとされていた。
- 友田……目賀博士の学会の同士。学会が早まったと言う連絡を目賀博士の元に入れたとされている。
- 砧郵便局の局員……偽電報を配達した局員。
- 飯尾豊三郎……天銀堂事件の容疑者の一人として挙がっていた人物。
- M……小夜の友人。自殺する前に「畜生道におちいった」と告げたと言う。
- 金田一耕助……名探偵。
- 等々力警部……警視庁の警部。今回金田一に紹介した。
- 沢村刑事……警視庁の刑事。
- 出川刑事……警視庁の刑事で金田一耕助と共に須磨に渡った若い刑事。
- 巡査部長……岩屋署の巡査部長。妙海尼事件を担当している。
- 土地のおまわりさん……岩屋署管轄の小井の巡査。
- 先生……岩屋から来た医者。
- 40歳前後の男……兵庫県警の警部補。
銀座
霧ケ峰
大森
麻布六本木
須磨
板宿
新開地
明石の桟橋
長浜
小井
芝
北鎌倉